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東京国立博物館「仏像」展 見学

合掌
 先週は車で東京に来ましたが、18日に京田辺で法事がありましたので18日午後新幹線で帰寺、翌日始発の新幹線で栃木宇都宮まで行き結婚式に列席、今週も新宿で結婚式に列席します。よって、東京布教所滞在中ですので上野の東京国立博物館の仏像展を見学してきました。
 
 平日にもかかわらず混雑しておりましたが、ゆっくり見学することが出来ました。今回は国宝十一面観音菩薩立像(滋賀県向源寺)や、国宝菩薩半跏像(京都府宝菩提院願徳寺)はじめ種々の木造が展示されておりましたが、その中でも拙僧が特に楽しみにしていたのが「円空仏と木喰仏」の展示です。

円空(えんくう、寛永9年(1632年) - 元禄8年7月15日(1695年8月24日))は、江戸時代前期、美濃国(現岐阜県)に生まれ、伊吹山太平寺で修行を積んだといわれる旅の仏師。木喰の柔和で穏やかな表情の仏に対し、円空のそれはゴツゴツとした野性味に溢れながらも不可思議な微笑をたたえている。一刀彫という独特の彫りが、彼の作品の個性を引き立てている。 飛騨、美濃地方の各地に円空の作品と伝えられる木彫りの仏像が数多く残されている。生涯に12万体の仏像を彫ったという。そのうち、岐阜県内にあるものだけで、1000体を数える。多作だが、雑なものはなく、それぞれの個性をもった円空仏になっているところに彼の真価がある。

木喰(もくじき 1718年(享保3年)- 1810年(文化7年)は、江戸後期の仏教行者・仏像彫刻家。
日本全国におびただしい数の遺品が残る、いわゆる「木喰仏」(もくじきぶつ)の作者である。木喰五行上人、木喰明満上人などとも称する。特定の寺院や宗派に属さず、全国を遍歴して修業した仏教者を行者あるいは遊行僧(ゆぎょうそう)などと称したが、木喰はこうした遊行僧の典型であり、日本全国を旅し、訪れた先に一木造の仏像を刻んで奉納した。木喰の作品は伝統的な仏像彫刻とは全く異なった様式を示し、ノミの跡も生々しい型破りなものであるが、無駄を省いた簡潔な造形の中に深い宗教的感情が表現されており、大胆なデフォルメには現代彫刻を思わせる斬新さがある。日本各地に仏像を残した遊行僧としては、木喰より1世紀ほど前の時代に活動した円空がよく知られるが、円空の荒削りで野性的な作風に比べると、木喰の仏像は微笑を浮かべた温和なものが多いのも特色である。                   出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 拙僧は素朴なこの二人の聖が彫った仏像が大好きです。栄華を極めた権力者は装飾や金箔粉をふんだんに使用した仏像を造立します。けれど、この二聖の仏像は、全国遊行において各地に残されたもので、素朴さの中に慈悲がみなぎっています。ある木喰作の33体観音菩薩は、村人が病気になる度に貸し出されていたので数体無くなってしまっています。また、雪国では子供達が仏像を、「そり」にして遊んだため仏様のお顔がすり減ってしまっているものもあります。皆になでられつるつるになっているものもあります。
 しかし、民衆と一緒に苦楽をともにし、子供と一緒に遊んだ仏様は、ほほえんでおられるように感じました。
 木喰上人は他宗の僧侶ですが、出身が身延町であることにご縁を感ぜずにはいられません。 
円空仏
木喰仏                                                            本要寺住職 日梵九拝
   


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鐘の音

東京博物館の仏像展に是非小生も観たいと思っていたのですが、都合がつかず残念です。向源寺の十一面観音は30年前に高月渡岸寺まで行き拝観しました。門外不出といわれ、余計観たく1日かけて見に行った覚えがあります。近くの方ががぎを持ってこられ、おもむろに鍵を開け仏様にお会いすることができました。そのときの感動は忘れることが出来ません。後日桜井聖林寺の十一面観音を拝観したときは、周囲白壁の中、台座の上に立っておられお姿には感動しましたが、少ししらけた感じがしたのを覚えています。和辻哲郎が「古寺巡礼」で絶賛した十一面観音で、確かに端正なお姿なのですが安置してあるところとマッチせず宙に浮いている感じでした。小生も円空仏、木喰佛に心打たれるのですが、行く先々で村人たちと密着した祈りの中に生まれたからだと思っています。仏像展に行けなかった僻みからかも分かりませんが、日梵様のブログを観た感想です。
by 鐘の音 (2006-12-02 13:15) 

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