お盆棚経随想
8月1日から始まりました平成19年棚経も、お陰様で16日をもって無事終了いたしました。期間中、無病息災にてご廻向申し上げられましたのも、諸仏諸天のご加護の賜であると、深く感謝しているところでございます。また、100件以上の檀家さんにお世話になり、短時間でしたが皆様と触れ合うことが出来ましたのも、拙僧にとりまして楽しい夏の想い出になりました。本当にありがとうございました。
期間中には、忘れることのないであろう出来事もございました。朝一番に棚経に伺い、元気にお題目を唱え、楽しく懇談したあるご老人が、一日の棚経を終え寺に戻ると、亡くなったとの報せをうけました。年に一回の再会を楽しみにしており、当日も再会を願って家を後にしたばかりなのに・・・ そのご老人にとって、拙僧が最後の面会者になってしまいました。残念でなりませんでしたが、翌日の通夜、翌々日の葬儀と、ご遺族一丸となって人生のクライマックスを見事に送り出し、励まし、素晴らしい儀式になりました。拙僧も、その不思議な巡り合わせに深く感じ入るとともに、故人様の人生に敬意を表し、ともにご修行させていただきました。
その法号 最上院和光日昭信士 霊位 速やかに仏身を成じ、執着を離れ、魂が安穏なるをご祈念申し上げます。
話は棚経に戻ります。今回の棚経で特に気になったことがございます。それは、仏壇の維持管理についてであります。「仏壇や仏像、位牌は入魂してあるから触るものじゃない」と良く耳にしますが、掃除はしてください。ハッキリ言って仏壇が非常に汚い家が多いのです。
例
・仏壇の内外、灯籠の上や天板などがホコリまみれになっている。
・お供えをエサにしたゴキブリの糞だらけになっている。
・半間仏間に収まった仏壇の両サイドのあいた部分が汚れている。もしくは関係ない物品が押し込んである。
・香炉の清掃がしていない為、線香が全く立たない。
・供水や供茶の器が水垢、茶渋だらけになっている。
・何年も前の古い御札がそのままになっていて、花瓶の下敷きに。(引き出しの中にも突っ込んである)
等々。キリがありませんが、仏壇は言うならばお寺の本堂の家庭版です。お寺の本堂が上記の如く荒れていたなら皆様はどのように感じるでしょうか。きっと「お寺なのに信じられない」と感じるのではないですか?皆様の仏壇も同じ事です!!!
仏壇の汚い方はすぐに、綺麗な方はもっと綺麗に掃除を心がけましょう。仏壇磨きは魂磨きの始まりです。
ある檀家様の整頓された仏壇(盂蘭盆会お供え)画像です。
おとうさんの写真に、お線香をあげています。
お花も飾っています。ブログを読んであわてて線香の灰の
お掃除もしました。お父さんは沢山のことを与えてくれました。
亡くなる時まで、わたしは与えてもらってばかりでした。
おとうさんに私から御礼をすることができなかったことを
悔やんでいますが、その分お母さんを大切に
しようと思います。
by みかん (2007-08-19 08:16)
みかん様
孝養には色々な方法がありますが、
「孝養に三種あり。衣食を施すを下品とし、父母の意に違はざるを中品とし、功徳を回向するを上品とす。存生の父母にだに尚功徳を回向するを上品とす。況や亡親にをいてをや」
と、日蓮聖人は仰っております。色々な形での孝養がありますが、みかん様の意識は亡きお父様に伝わっているでしょう。
>その分お母さんを大切にしようと思います。
そのことも、お父様はお喜びじゃないでしょうか。拙僧も、父を亡くしておりますので、同じ思いでおります(実際は会うと、つい口げんかなどしてしまい、つくづく親子だなあと想います)
by 日梵 (2007-08-25 09:31)